カビが体に与える悪影響

日本建築

古いお家に入ったとき『なんだかカビくさいな』と感じたことはありませんか。

外目ではわからなくても、お部屋のクロスの裏側にはカビがびっしり!ということもあります。
そうなるとカビのにおいがして当然です。

においだけならその場を過ごせば問題ありませんが
実はこのカビのにおいは体に悪影響を与えます。
アトピー、アレルギー、ぜんそくは
カビが原因となっていることが非常に多いのです。

住宅の中で発生するカビ菌は約60種類。
中枢神経や内臓、脳を侵すものから鼻炎、水虫の原因となるカビもあります。

カビは温度が28度、湿度が80パーセント以上になると活発になり、ゴミやチリを栄養源としています。
塩化ビニールクロスを壁に付けている化学糊(のり)もカビの栄養源になっています。
こう考えると、住宅内部はカビの大好きな要素でいっぱいですね。

カビを大繁殖させてしまう一番の原因は高い湿度をカビに与えてしまうことです。

夏場、喫茶店などで水をもらったときグラスの外側に水滴が付いていることがありますが
暖かい空気が冷やされると結露が起きます。

冬場、家の外は寒いのに、室内の温度が暖房などによって温かくなると
湿気を通さない塩化ビニールクロスの場合、暖かい側の室内が結露してしまいます。
日本の住宅寿命が短命だといわれている最大の理由がこの結露です。

結露がおこることで、カビだけでなくダニ・シロアリなどが増殖し、住宅を食い尽くしてしまうのです。
それでは、カビ菌が人の体に与える悪影響を見てみましょう。主に下の3つです。

・真菌症(真菌は病気を引き起こすカビのこと)
・アレルギー
・中毒

真菌症(カビ病)

人の器官や内臓、皮膚にカビが繁殖すると
真菌症になります。
カビ菌は300種類以上の毒を発生させていることが
わかっています。

アレルギー

部屋にカビ菌や胞子が飛んでいてそれを人が吸い込むと免疫反応で体から菌を追い出そうとします。
この免疫反応が過剰に起こってしまうことを“アレルギー反応”と呼びます。

カビの菌糸から発生する酵素が化学反応することで揮発性化学物質(VOC)が発散し
これがアレルゲンになるという研究結果がでているように
カビ菌を放っておくと
ぜんそく、気管支炎、胃腸炎、鼻炎、結膜炎などの目の病気を引き起こしてしまいます。

中毒

カビの毒を吸い続けると麻痺や痙攣など神経に影響がでたり
毒の中には発がん物質を含んでいるものさえあります。

カビ臭い部屋にいると危険だ!このように感じて頂けましたでしょうか。
でも、カビ臭い部屋にずっといると、人には環境に適応する力があるのでそのにおいになれてしまうのです。
家の住民は気づいていないのに、訪問者にとってはカビのにおいが気になるということもあるでしょう。
恥ずかしいことかもしれませんが、一度外部の人ににおいを確認してもらうといいかもしれませんね。

漆喰の防菌性

ここからすこし「漆喰とカビの関係性」についてお話しします。
漆喰には防菌性というすばらしい機能があるのですが
漆喰に殺菌作用があるのは内部が強アルカリ性のためです。

ヨーロッパのワイン工場や生ハム工場、日本の酒蔵などの建物には漆喰が多く使われています。
これは余計な菌を建物内部に入れない為と、室内を防菌するためです。

日本の住宅の95パーセント以上に使われている塩化ビニールクロスにはこのような防菌性、防カビ性がありません。
そのため、カビを防ぐための薬剤が注入されていることが多く、
この薬剤が、シックハウス症候群の原因にもなっているのです。

一方、漆喰には防カビ性が備わっているので余計な化学物質である薬剤を使わなくて済みます。
それだけではありません。
漆喰はカビ菌だけでなくインフルエンザ予防にもいいといわれているのをご存知でしょうか。

ニュースでご覧になったことがあるかもしれませんが、
鳥インフルエンザが発生すると白い粉を散布していませんか?
実は、あの白い粉の正体は“石灰”です。
漆喰は石灰岩が原料ですのでインフルエンザ対策にも漆喰が向いているのはおわかり頂けると思います。
漆喰は99パーセントのインフルエンザウイルスを除去するという研究結果もでています。
室内の防菌、防カビ、防インフルエンザ対策には漆喰がおすすめです。

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