漆喰を塗れない左官屋さんも多い
大規模な工事を請け負っている、何十人・何百人いる大手の左官業者さんは、ビル建築時のコンクリート補正やペイント塗りの下地仕事などを行っています。
そういった理由から、(もちろん業者さんごとに異なりますが)大規模工事を請け負っているところよりも小規模で活動している左官屋さんの方が漆喰を扱っている確率が高くなっている気がします。
漆喰を壁に塗るのには専門の技術が必要になりますし、大規模工事と小規模工事ではマニュアルが全く異なるからだと考えられます。
江戸時代の左官屋さんと言えば、漆喰や土壁、京壁などを塗る人でしたが、今ではビニールクロスを貼る人というイメージがあるかもしれません。
しかし、『エコ』『ロハス』(【LOHAS】[lifestyles of health and sustainability]健康と地球の持続可能性を志向するライフスタイルの総称)という言葉が日本で注目されているように、これからは漆喰のような自然素材がどんどん普及していくでしょう。
漆喰を塗ることができる職人さんが減っているのは、その施工金額にも表れています。
現在、木舞をかいて土壁にするような家を建てようとすると、坪100万円かかるといわれているほどです。
これから漆喰や土壁のニーズが高まっていくことを考えると、需要に供給が追い付いていないといえるでしょう。
こういった状況を打破する動きもでてきています。
カリスマ左官と呼ばれる人たちは数年前まで土壁のジャンルで頑張っていたのですが、これからの時代は“漆喰”を盛り上げていこうという風潮になっているようです。
日本の住宅の90パーセント以上の家に使われている塩化ビニールクロスは、実はアメリカではあまり使われていません。
アメリカでは天然素材と塩ビクロスの家の比率が20対1です。
この数字は日本とまったく逆ですよね。
塩ビクロスにはいいところもあるのですが、もっと一般の人に漆喰を知ってもらうことが大事なのだと感じます。
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